2011年10月4日火曜日

7泊8日 コスタデルソルの旅 その4

さて、次の日。
その日は、日曜日。
前日に引き続き、マラガへ行く予定。
旦那が見たがっていた闘牛を見に行くのだ。

午前中は、またまた、ホテルでのんびり。
昼ごろに、また、前の日と同じように電車に乗りマラガへ向かう。

私は、前の日の、すられ未遂のため、かなりビビっていて、
財布の中から、カードも出し、現金を50ユーロ位だけにして、
カメラも、コンパクトデジカメだけ持って行くことにした。
残りのお金や、デジイチは、ホテルの金庫に入れて。

昨日降りた駅の一つ手前のマラガ駅で降りる。
ガイドブックに出ていた小さな地図を見て、その駅の近くにショッピングセンターがあるようだったので、そこに行ってみようと思ったのだった。

マラガ駅は、かなり大きな駅で、中にショッピングモールもある。
着いた時には、ちょうど、シエスタの時間で、お店はどこも開いていない。
ショッピングモールの中の、なぜかアメリカンレストランに行って、昼食を食べる。
そろそろ、どこかお店があくんじゃないかなあと、外に出てみるも、
開く気配はなし…
地図を頼りに、ショッピングセンターがあるあたりへも行ってみた。
確かに、ショッピングセンターらしき建物はあって、
人も少しいるんだけど、店はあいていない。


マラガ駅近くの教会




そこで、やっと気がついた。
あ!今日は日曜日か…

イギリスでは、今でこそ、日曜日もかなりのお店があいているようになったけど、
大陸の国々は、まだまだ、日曜日は、お店あいてないんだった…
しょぼ~ん…(´・ω・`)
さて、ここからどうする?

私は、飲食店が少しでも開いていて、涼しいマラガ駅に戻って、
カフェにでも入って、時間をつぶそうと言ったのだが、
旦那は、別のところに行ってみようと言う。
仕方なく、炎天下歩く。

マラガ駅の周りは、今開発中なのか、工事中のところが多く、
前日行った観光地区とは違い、殺伐として、埃っぽかった。
きれいな建物ばかりではなく、やはり、かなりさびれた場所もある。
スペインの経済状態の悪さを、目の当たりにした気がした。

途中で、長男が、おなかが痛いと言い始め、トイレを探す。
でも、どこも店があいていないので、
昨日のツーリストインフォメーションに、トイレがあったはずだからと、行くことに。

私は、大したものは入っていないけど、相変わらず、ななめがけのリュックを、
前に持ってきて、歩いていた。

インフォメーションは、昨日と比べると、ガラガラで、
人ごみにまぎれてスリを働くなんてことはできそうになく、
ちょっと、一安心。
長男がトイレから出てくるのを待って、
そこから、そのまま闘牛場まで歩いて行くことにした。
一本道だし、時間もあるし。

インフォメーションのところから、闘牛場に続く道。
広い歩道に出店がいっぱい出ていた。
闘牛場に着くと、もうすでに並んでいる人がたくさんいる。
チケットを買うのに並んでいるのかなあ?
う~ん…よくわからないんだけど、旦那は、このままここで並ぶと言うのだ。
まだ、その時、4時すぎ。
闘牛が始まるのは午後6時なのだ。
ここで、2時間も待つの~????と、私と子供たちは、かなりいや~な顔をしたんだけど、
そうしている間にも、どんどん人がやってくる。
チケットはどこで買うのか、昨日、おじさんがくれた券で、本当にそのまま入れるのか、
どこでそれを聞けばいいのか、まったくなんにもわからない┐(´~`;)┌
でも、とりあえず、みんなが並んでいるところに並んでみる。

すると、スペイン人のおばさんがやってきて、何か話しかけられた。
でも、相手はスペイン語なので、さっぱり何を言っているのかわからない。
「No Spanish」と言って、手を振ると、さっさと、他の人のところへ行って、しゃべり始めた。
ただ、しゃべりたかっただけ?

5時が近くなると、かなり大きな人だかりに。
そして、それまで、適当にその辺に座ったり、固まってしゃべったりしていた人たちが、
門の前に、ザーッと集まりだした。
それにつられて、私たちも、門の前に。

その人ごみの中で、ふと、後ろを向くと、
小柄なスペイン人のおばちゃんが目に入った。
ちょっと、小金持ちっぽい感じのおばちゃんなんだけど、
何が目を引くって、そのおばちゃんの着ていたブラウス。
日本人なら、誰しも、目が釘付けになること間違いなし。


全面日本語!縦書き!
「入学式・卒業式のお母様の装い」
「オンとオフを着わける」
「母から娘へ伝えたいきもの…」
もう、おばちゃんのブラウスから目が離せないのだ。
でも、じっと見つめるわけにも行かず、こっそり盗み見しては、笑いをこらえる私たち。
どこから取ってきたんだ、このセリフ!
和服の雑誌みたいな感じ?それとも、ちょっと年輩の奥様向けの雑誌?
スペインのおばさまたちには、かなりおしゃれな洋服なんだろうか?

このおばちゃんのブラウスのおかげで、退屈な待ち時間が、ちょっと楽しかった(笑)

おばちゃんのブラウスを見て、くすくす笑っていると、
そこへ、なんと、救急車が入ってきた。
何事?と思って、振り向くと、そこにも救急車が2台。

救急車のデザインが日本のものと似ている
闘牛士が負傷した時のために待機しているのだろうと言うことに気がついて、すこし、怖い気がしてきた。

そうこうしているうちに、時間は5時少し前。
周りの人たちが、ざわざわし始めた。
なになに?
なんか、早く開けろ~!!みたいな感じかな?
と思っていたら、目の前のドアが開いた!
すると、周りの人たちは、どど~っと、
ほんとに文字通り、どど~っと、入って行った。
その人の波におされるようにして、私たちも、闘牛場の中に。
あれ?チケットチェックしたりしなかった…
やっぱり、ただ?
誰もお金を払っているような人もいなかったし、チケットを持っている人もいなかった。
…え~!!ほんとに、ただなの?!
昨日キオスクのオジサンがくれた券は、招待状じゃなかったの?

と、ふと気がつくと、旦那と長男は、最前列に座っている。
私は、さすがに、最前列はいやだと、少し上の席に座った。
次男も、私の横に。

マラガの闘牛場の中


中に入ってみると、
私たちが待っていた門から入ると、ちょうど、日蔭の席に座れるのだということがわかった。
それで、みんな、並んでいたのだ。

闘牛場は、地方の小さな野球場のような感じで、
コンクリートでできた階段状の椅子に座るようになっている。
どんどん人が入ってきて、気がつくと、日蔭の席は満杯。
でも、もちろん、日向の席は、ガラガラ。

野球場と同じように、飲み物を売りにお兄さんがやってくる。
私も何か飲み物を買おうかと思ったけど、
席と席の隙間が狭すぎて、お兄さんの所まで行くのが大変そうで、あきらめた。

6時になって、馬に乗った人が出てきた。
そして、その人に先導されるように、闘牛士たちが出てきた。

闘牛士、いっぱい出てきた。

闘牛士の中でも、洋服がキラキラした人と、キラキラしていない人がいる。
ランクが違うのかな?
入場してきた闘牛士たちを見て、周りのスペイン人たちは、大興奮。

闘牛士たちは、出て来て、さっと挨拶をすると、
一番前の席とリンクの間にある待機場のようなところに入る。
そこには、各闘牛士のサポーターというか、コーチ?
お世話役?みたいな人もいて、闘牛士たちに声をかけたりしている。

そして、1試合(?)目が始まった。





全く私には、理解のできない世界だった。
そもそも、なぜこんなことをするのか、
なぜ、私の周りに座っている人たちは、これを見て、こんなに熱狂しているのか・・・。

スペインに来る前、息子の英語の先生に、最近は、動物愛護団体の抗議があるから、
闘牛の牛たちは、殺されないのだと聞いていた。
でも、それは間違っていた。
少なくとも、マラガの闘牛場では、そうではなかった。
牛たちは、必ず、リンク内で殺されなければならないのだ。

最初は、突進してくる牛を上の写真のように、華麗にさばく闘牛士。
でも、彼も、一人で戦っているわけではないのだ。
ランクが上の方の闘牛士1人がメインなんだけど、
他に4~5人いて、かわるがわる出てくるのだ。
そして、途中で、飾りのついた槍が、牛の背中に刺される。
それでも、向かってくる牛を、今度は、剣で一突きにするのだ。
そして、牛が、リンクの中で倒れると、メインの闘牛士は、勝利に酔いしれ、
観客たちは大声援を送る。
戦いっぷりがよかったと思う闘牛士には、みんな、立ちあがって、白いハンカチを振るのだ。
(ハンカチを持っていない人が多くて、テッシュを振っているのが、変だったけど(^_^;))
その日は、たまたま、有名人か街のえらい人か誰か来ていて、
闘牛士は、真剣を持つと、その人に向かってあいさつし、
牛が倒れると、また、その人にアピールする。
その後ろで、息絶えた牛は、3頭の馬に引かれてリンクから消えて行くのだ。

血の付いたリンクの土は、すぐにきれいに掃除され、
また、次の試合が始まる…

こうやって、一晩に6回の試合が行われる。
つまり、一晩に6頭の牛が殺されるのだ。

殺された牛たちは、闘牛場の中に解体場があり、そのまま食肉にされるのだそうだ。

これは、そのための儀式なのか?

ホテルに帰った後、ネットで調べてみたけど、詳しいことはわからなかった。
でも、普段、私たちが何気なく食べている牛肉、
スーパーに切られて並んでいると、それが、生きた牛だったことをあまり意識しないけれど、
もしかしたら、闘牛は、それをちゃんと意識するためにやっているのではないのかと、
闘牛を見た人たちは、ステーキを見ても、それが生きた牛だったことを知りながら食べるのだろうと、そう思えてきた。
そう思わなければ、なぜ、一晩に6頭もの牛が、観客の目の前で殺され、
それを見て、人が喜ぶのか、私には納得できそうもない。
いや、それでも、やっぱり、私の理解を超えたものだ。

結局、2試合目からは、どうなるかわかっているので、
最初のうちの血の出ない部分だけ少し見て、
あとは、私の前に座っていた子供たちを見ていた。
10歳くらいかと思われるお姉ちゃんと、5歳くらいの弟。
この二人がかわいくて面白くて。

5試合目が終わったところで、夜9時近くになっていたので、もう帰ることに。
一番前に座っていた旦那と長男と、合流すると、
ふたりは、他のスペイン人たちと同じように、大興奮していた。
男性と女性の違いなのか?理解できないやつらだ…

そのまま、また歩いて駅まで戻り、電車に乗ってトレモリノスまで帰った。

トレモリノスの夜の街
トレモリノスについて、晩ご飯は…バーガーキングのハンバーガー。(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
私は、もちろん、チキンを食べたけどね。

続く…





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